オクターブバンド周波数エッジ 計算ツール|中心周波数から上下端・帯域幅・Q値を一括算出
中心周波数と分割幅を入れるだけで、バンドの下端・上端、帯域幅、Q 値、そして ISO 266 標準中心周波数との差 (cents) を 1 画面で確認できる計算ツール。1/1 から 1/24 まで 6 種類の分割幅に対応。
💡 このツールについて
室内音響の測定や EQ 設定をしていると、「中心 1000 Hz の 1/3 オクターブバンドって、結局どこからどこまでの帯域なのか」という疑問に頻繁にぶつかります。手元の電卓で 2 の 1/6 乗を叩くのは面倒ですし、Q 値や標準バンドへの寄りまで同時に出したいとなると、計算式を覚えていても一手間です。
このツールは、中心周波数 fc と分割幅 1/N を入れた瞬間に、下端 f_lower = fc / 2^(1/2N)、上端 f_upper = fc · 2^(1/2N)、帯域幅 BW = f_upper − f_lower、Q ファクタ = fc / BW をまとめて表示します。さらに ISO 266 の推奨中心周波数 (1/1 オクターブグリッドと 1/3 オクターブグリッド) のうち最も近いバンドを探し、入力値とのズレを cents で併記します。「測りたい帯域が標準バンドからどれだけ離れているか」を半音単位の感覚でつかめるので、グラフィック EQ のバンド割りやマイク測定のバンド設定に直結します。
入力は 1 Hz から 200000 Hz まで受け付けるため、可聴帯域 (20 Hz〜20 kHz) はもちろん、超低周波の振動解析や超音波領域の検討にも対応します。
🧐 よくある質問
Q. 中心 1000 Hz の 1/3 オクターブバンドの上下端はいくつになりますか? 下端が約 890.90 Hz、上端が約 1122.5 Hz です。両端は中心から 1/6 オクターブ (2^(1/6) 倍) ずつ離れた位置になります。
Q. Q 値が 4.32 と出ました。これは何を意味しますか? Q = 中心周波数 / 帯域幅 で、バンドの鋭さを表す無次元量です。1/3 オクターブはおおよそ Q ≈ 4.3 で、分割幅を細かく (N を大きく) するほど帯域が狭まり Q は大きくなります。
Q. ISO 266 の標準中心周波数とは何ですか? ISO 266・ANSI S1.11・IEC 61260 が定める推奨中心周波数で、1000 Hz を基準とする対数等分割の系列 (16, 20, 25, 31.5, … 16000, 20000 Hz) です。本ツールは入力した中心周波数に最も近い標準バンドを 1/1・1/3 の両グリッドで示し、差を cents で表します。
Q. base-2 と base-10 で結果が変わりますか? 本ツールのエッジ計算は base-2 定義 (2^(1/2N)) を採用しています。ISO の推奨中心周波数自体は 10^(1/10) ≈ 2^(1/3.32) の base-10 グリッドで定義されますが、実用上の差はわずかで、標準バンドの番号付けはどちらでも一致します。
📚 オクターブバンド分析の豆知識
1/3 オクターブ分析が音響測定の事実上の標準になっているのは、人間の聴覚が周波数を対数的に知覚するためです。可聴域 20 Hz〜20 kHz は 1/1 オクターブだと約 10 バンド、1/3 オクターブだと約 31 バンドに分かれ、後者がスペクトルの細かさと扱いやすさのバランスに優れます。グラフィック EQ に「31 バンド」モデルが多いのは、まさにこの 1/3 オクターブ刻みに由来します。
「オクターブ」という言葉は音楽の 8 度 (周波数比 1:2) が語源ですが、音響工学では音名と切り離して「周波数が 2 倍になる区間」を指します。日本の建築音響や騒音規制でも JIS (ISO 266 に整合) の中心周波数が測定の共通言語として使われており、現場の測定器とソフトのバンド表示はこの系列で揃っています。