距離による音圧減衰計算機|dB SPL が距離でどれだけ下がるか試算
音源の dB SPL と基準距離、目標距離を入れると、距離減衰後の dB SPL を逆算します。点音源・ライン音源・平面波の 3 つの伝搬モデルを切り替えて、屋外スピーカー・ラインアレイ・ニアフィールドそれぞれの減衰量を比較できる計算機です。
💡 このツールについて
スピーカーのスペック表に「1 m で 100 dB SPL」と書いてあっても、客席後方の 20 m 地点で何 dB になるかは別問題です。音は距離が離れるほど広い面積に拡散し、点音源なら距離が 2 倍になるごとに 6 dB ずつ下がります。この 6 dB という値は、音が球状に広がり面積が距離の 2 乗で増える「逆二乗の法則」から導かれる、自由空間での理論値です。
このツールは式 L₂ = L₁ − N × log₁₀(d₂/d₁) を使い、伝搬モデルごとに係数 N を切り替えます。点音源は N=20、ライン音源は N=10、平面波は N=0 です。結果には減衰後の dB SPL に加えて、減衰量・音圧比・音響強度比、そして「会話 60 dB」「大型機械 85 dB」といった身近な 6 段階の参照表を表示するので、計算した数値がどのくらいの体感音量なのかをその場で掴めます。
🧐 よくある質問
Q. なぜ点音源とライン音源で減衰量が違うのですか? 点音源は球状に広がるため面積が距離の 2 乗で増え、距離 2 倍で 6 dB 下がります。ライン音源(ラインアレイや長い騒音源)は円筒状に広がり面積が距離に比例して増えるため、距離 2 倍で 3 dB しか下がりません。これがラインアレイで会場後方まで音が届きやすい理由です。
Q. ラインアレイは常に 3 dB/倍で減衰しますか? いいえ。3 dB/倍はニアフィールド(円筒波領域)での近似で、ある距離を超えると点音源と同じ球面拡散に戻り、6 dB/倍へ移行します。平面波(N=0)はさらに理想化されたケースで、現実には完全な平面波は存在しません。
Q. 距離を 10 倍にすると何 dB 下がりますか? 点音源では 20 × log₁₀(10) = 20 dB の減衰です。100 dB の音源なら 1 m で 100 dB、10 m で 80 dB、100 m で 60 dB という計算になります。
Q. 実際の屋外でこの計算通りになりますか? あくまで自由空間(反射・障害物なし)の理論値です。実際は壁の反射、地面の吸音、空気による高音の減衰、風や温度勾配が加わるため、近似の目安として使ってください。
📚 音と距離の豆知識
日本の労働安全衛生では、85 dB を超える騒音職場で聴覚保護具の使用が推奨されます。建設現場や工場でこの計算機を使うと、騒音源から何 m 離れれば 85 dB を下回るかの目安が立てられます。逆にライブハウスやホールの音響設計では、ラインアレイの 3 dB/倍という緩やかな減衰が「前列と後列の音量差を小さくする」武器になります。点音源スピーカーで同じ会場をカバーしようとすると、前列を爆音にしないと後列に届かないというジレンマが生まれるのです。