複数事象の確率計算機 | AND・OR・全部起きない・ちょうど1つ・期待値を一括算出
複数の独立した出来事の確率を入力するだけで、組み合わせ確率を5つの角度から同時に表示する計算機。「全部成功する確率」と「少なくとも1つ成功する確率」を並べて見られるので、依存タスクのリスク見積りや当落シナリオの比較に向く。事象は2〜10個まで動的に増減でき、各事象に任意の名前を付けられる。
💡 このツールについて
複数の確率を頭の中で掛け合わせると、人間の直感はしばしば外れる。たとえば成功率90%の工程を5つ連続で通すと、全体成功率は約59%まで下がる。逆に当選確率5%のくじを30回引けば、少なくとも1回当たる確率は約79%に達する。AND(同時発生)とOR(いずれか発生)は計算式がまったく異なり、混同すると見積りが桁違いにずれる。
このツールは独立事象を前提に、5指標を一度に算出する。全部起きる確率は各確率の積(p1 × p2 × … × pn)、少なくとも1つ起きる確率は余事象から 1 −(1−p1)(1−p2)…(1−pn) で求める。全部起きない確率はその余事象、ちょうど1つだけ起きる確率は「ある事象が起き、残り全部が起きない」場合を全パターン合算した値、期待事象数は各確率の単純な和(Σpi)である。プロジェクトの依存タスク、キャンペーンの当落、複数機器の同時故障など、独立とみなせるシナリオの試算に使える。
なお全事象が互いに独立である前提で計算する。事象間に相関がある場合(片方が起きるともう片方も起きやすい等)は実際の値とずれるため、結果は目安として扱う。
🧐 よくある質問
Q. ANDとORはどう違うのですか。 A. ANDは「全部が同時に起きる」確率(積で小さくなる)、ORは「少なくとも1つが起きる」確率(足し合わせに近く大きくなる)。同じ事象群でも両者は大きく異なる。
Q. 確率を90%×5回続けたらどうなりますか。 A. 全部成功(AND)は約59%、少なくとも1回失敗する確率は約41%。工程数が増えるほど全体成功率は急激に下がる。
Q. 「ちょうど1つだけ」とは何の確率ですか。 A. 入力した事象のうち、きっかり1個だけが起き、残りはすべて起きない確率。複数同時発生も全部不発も除外した、排他的な1件のケースを示す。
Q. 期待事象数の「1.00件」とはどういう意味ですか。 A. 試行を何度も繰り返したとき、平均して何個の事象が起きるかの期待値。確率の単純な和で、個数の予測の中心値になる。
Q. 事象は最大いくつまで入れられますか。 A. 2〜10個。1個以下では組み合わせ確率が定義できないため出力は空欄になる。10個に達すると追加ボタンが無効になる。
Q. 相関のある事象には使えますか。 A. 独立前提の計算なので、強い相関がある事象群では誤差が出る。相関を扱いたい場合は条件付き確率や共分散を別途考慮する必要がある。
📚 豆知識
確率の直感のずれは「合接の誤謬(conjunction fallacy)」として知られ、トベルスキーとカーネマンの「リンダ問題」で有名になった。複数条件を満たす確率を、単一条件より高く見積もってしまう錯覚で、AND確率が必ず各確率以下になる事実と矛盾する。
宝くじや抽選で「何回引けば当たるか」を考えるときも、このOR計算が効く。当選確率1%でも、100回引けば少なくとも1回当たる確率は約63%(1 − 0.99^100)にとどまり、「100回引けば必ず当たる」わけではない点が誤解されやすい。事象名に「1回目」「2回目」と入れて試すと、回数と当選確率の関係が数字で見えてくる。