酵母添加量(ピッチレート)計算ツール|麦汁量とOGから必要な酵母細胞数を算出
麦汁量と初期比重(OG)から、発酵に必要な酵母の細胞数とパック数を一度に求める計算ツール。エール 0.75・ラガー 1.5 の標準ピッチレートに対応し、比重を °プラトーに換算したうえで必要細胞数を表示。
💡 このツールについて
自家醸造で味のブレが出る原因の多くは、酵母を「だいたいこのくらい」で投入してしまうことにあります。細胞数が足りない(アンダーピッチ)と、酵母が過剰に増殖する過程でダイアセチル・硫黄臭・フーゼルアルコール・狙っていないエステルが出やすくなり、発酵が途中で止まることもあります。逆に入れすぎ(オーバーピッチ)ると発酵が速く進みすぎ、本来引き出したいエステルなどの個性が削がれます。
このツールは、麦汁量・OG・スタイルの 3 つを入れるだけで「いま何個の細胞が要るか」を数値で示します。比重から °プラトー(麦汁に溶けた糖の割合の目安)を求め、それに細胞密度と麦汁量を掛けて必要細胞数を算出し、1 パック 1000 億細胞換算でパック数まで出します。感覚ではなく数字でピッチ量を決めたい人向けの設計です。
🧐 よくある質問
ピッチレートのエール 0.75・ラガー 1.5 は何の数字ですか? 麦汁 1 mL・1 °プラトーあたりに投入する細胞数を百万単位で表したものです。Chris White と Jamil Zainasheff が標準値として示した、エール 0.75 百万・ラガー 1.5 百万に対応します。
パック数が小数で出ますが、切り上げますか? 1 パック 1000 億細胞という公称値での目安です。実際の市販パックは封入数や鮮度に幅があるため、必要数を満たすには切り上げて用意するのが安全です。
OG が高いとなぜ必要な酵母が増えるのですか? 比重が高いほど糖の濃度(°プラトー)が上がり、発酵させる対象が増えるためです。同じ容量でも高比重の麦汁ほど多くの細胞が必要になります。
古い液体酵母でも同じパック数でいいですか? パック数は新鮮で生存率 100% の酵母を前提にしています。液体酵母は 1 か月あたり約 20% 失活するため、古いパックではパック数を増やすか、スターターで細胞を増やしてください。
ピッチレートは細胞数だけで決まりますか? 細胞数が基本ですが、発酵温度や酵母の株、初期の溶存酸素も発酵の立ち上がりに影響します。低温発酵ほど多めのピッチが推奨されます。
📚 °プラトーと自家醸造の豆知識
°プラトーは「麦汁に溶けている固形分(主に糖)が重量比で何パーセントか」を表す単位で、ビール醸造の現場で比重と並んで使われます。このツールは比重から °プラトーへ 3 次多項式で換算しており、両者を行き来しながら酵母量を組み立てています。
国内の自家醸造では、酸素供給とスターターが品質安定の鍵としてよく語られます。投入直後の酵母は最初に分裂するため溶存酸素を必要とし、液体酵母や鮮度の落ちた酵母を使うときはスターターで細胞数と活性を引き上げてからピッチするのが定石です。必要細胞数を先に把握しておくと、スターターをどの規模で組むかの判断もしやすくなります。