オーディオバッファ遅延計算機|バッファサイズとサンプルレートから遅延 ms を逆算
バッファサイズとサンプルレートから、DAW やオーディオワークステーションのレイテンシをミリ秒で算出。空気中音速 343 m/s 基準の距離換算と 60fps フレーム換算、用途判定 (ライブ / スタジオ / オフライン) を 1 画面で表示する。
💡 このツールについて
DAW のバッファサイズを 256 から 128 に下げると遅延が何 ms 縮むのか、感覚で覚えている人は少ない。レイテンシは「バッファのサンプル数 ÷ サンプルレート × 1000」で決まり、サンプルレートが高いほど同じバッファでも遅延は短くなる。つまり 256 サンプルでも 44100 Hz と 96000 Hz では遅延量が倍近く違う。
この計算機は、数字を入れ替えながら遅延量の差を体感単位で掴むためのもの。出力は ms だけでなく、その遅延が空気中で音が進む距離 (音速 343 m/s 換算) と 60fps 映像の何フレーム分かも併記する。「3 ms = 約 1 m 離れて演奏した時の遅れ」のように、抽象的な数字を物理感覚に置き換えられる。経路の選択肢 (入力のみ片道 / 入出力往復 / モニタリング) は、実機のラウンドトリップ遅延を係数で概算するためのもの。
🧐 よくある質問
Q. レイテンシは何 ms 以内を目指せばいい? 往復で 10〜15 ms 以内なら違和感なく録音できる目安。20 ms あたりから演奏に違和感が出始め、50 ms を超えるとピアノやドラムなどアタックの速い音色では正確な演奏が困難になる。本ツールでは < 10 ms をライブ可、10〜30 ms をスタジオ録音向け、> 30 ms をオフライン専用として判定する。
Q. バッファを下げれば下げるほどいい? 遅延は減るが、小さいバッファは CPU 負荷が上がりプチノイズ (クリック / ポップ) の原因になる。録音時は 64〜256 サンプルで詰め、ミックス時は 512〜1024 に上げて安定を優先するのが定石。本ツールで両方の遅延量を比べてから決めるとよい。
Q. サンプルレートを上げると遅延は減る? 同じバッファサイズなら減る。バッファのサンプル数を処理する時間はサンプルレートに反比例するため、44100 Hz より 96000 Hz の方が同じ 256 サンプルでも遅延は短い。ただし高レートは CPU・ディスク負荷も増える点に注意。
Q. 計算結果の通りの遅延になる? ならない。本ツールはバッファ由来の理論値で、実機の往復遅延は ASIO / Core Audio ドライバの追加バッファ、OS のスケジューラ、A/D・D/A 変換の遅延が上乗せされる。経路を「往復」「モニタリング」にすると係数で概算できるが、実測はこれより大きくなる前提で見る。
Q. ダイレクトモニタリングを使えば遅延はゼロ? オーディオインターフェイスのダイレクトモニタリング (入力を DAW を通さず直接出力へ回す) を使えば、バッファ由来の遅延を回避してほぼゼロで聴ける。プラグインを通した音をモニターしたい場合のみ、バッファ遅延が問題になる。
📚 レイテンシと人間の知覚
人間の聴覚は 3 ms 程度以下の遅延をほぼ知覚できず、3〜10 ms の範囲で違いを感じ始めると言われる。これは音が空気中を約 1〜3.4 m 進む時間に相当する。アコースティックギターを抱えて弾くとき、弦から耳までは数十センチ、つまり常に 1 ms 前後の「自然な遅延」を聴いている。10 ms 以下のモニタリングが「生楽器のように感じる」のは、この日常的な遅延の範囲に収まるから。本ツールの距離換算は、まさにこの「遅延を物理的な距離として捉える」発想を数値化したもの。バッファ 2048 サンプル・48000 Hz なら約 42 ms、音速換算で約 14.6 m — ステージの反対側にいるドラマーの音が届く距離に近い。