接地抵抗計算ツール|土壌抵抗率から推定値を自動算出
現場の土壌抵抗率や使用する接地極の形状寸法から、施工後の接地抵抗値を推定する電気設備エンジニア・設計者向けシミュレーターです。日本の基準に基づく要求抵抗値とブラウザ内で照合し、設計の妥当性を確認できます。
💡 ツール概要
- 推定接地抵抗の自動算出 事前の地質調査等で得られた土壌抵抗率(10〜1000 Ω·m)と、接地極(接地棒・銅板)の寸法をもとに、施工後に期待される接地抵抗値を理論式から算出します。
- 要求基準値との自動照合機能 選択した接地種別に応じた要求抵抗値を自動設定します。A種・C種(10Ω)、D種(100Ω)、およびB種(150 / 1線地絡電流 Ω 以下、一般時)の基準を満たしているか「合格 / 不合格」で一目で判定可能です。
- 目標達成に向けた追加電極の目安提示 算出値が要求抵抗値をオーバーし不合格となった場合、目標値をクリアするために並列接続が必要となる追加電極の概算本数と、並列化した場合の推定抵抗値を自動提示します。
🧐 よくある質問
Q. 計算に用いられている理論式は何ですか?
A. ツール画面内にも表示されますが、電極のタイプに応じて以下の算出式を使用しています。
・接地棒:R = ρ / (2πL) × ln(4L/d) (L=長さ, d=直径)
・銅板:等価半径 r_eq = √(A/π) を求め、R = ρ / (4 × r_eq) (A=面積。接地面表面に置いた板の理論値で、埋設するほど実値は小さくなります)
Q. B種接地工事の要求抵抗値はどのように計算されていますか?
A. ツール内で入力された1線地絡電流(Ig:1〜10000A)に対し、150 / Ig の数式で要求抵抗値を算出しています。これは電気設備技術基準で定められる「一般時(高圧側に保護装置なし)」の式です。なお、保護装置が 1〜2 秒以内に動作する場合は 300 / Ig、1 秒以内に動作する場合は 600 / Ig までの緩和規定がありますが、本ツールでは安全側として常に一般時の式を用いています。
Q. 土壌抵抗率の目安となる数値はありますか?
A. ツール内のボタンを利用することで、湿潤状態(30 Ω·m)、普通(100 Ω·m)、乾燥状態(300 Ω·m)、岩盤(700 Ω·m)といった代表的な数値をワンクリックで適用できます。より正確なシミュレーションを行う場合は、実測値をご入力ください。
📚 接地工事種別(A・B・C・D種)と推定値の評価について
本ツールで選択可能な「A種・B種・C種・D種」という区分は、日本の電気設備技術基準等において定められている固有の接地工事分類です。国際的な規格であるIEC等におけるTT/TN/ITシステム分類とはアプローチが異なり、使用電圧の高さや保護対象(高圧機器の筐体、変圧器の混触防止、低圧機器の漏電保護など)に応じて、クリアすべき接地抵抗値の絶対上限(10Ωや100Ωなど)が明確に定義されています。海外向けの設計を行う場合は、現地の法規や要求仕様に適した数値を指標とする必要があります。
また、本ツールが算出する結果は、入力された寸法を持つ「単一の接地極」を埋設した際の理論上の推定値です。実際の施工現場では、深さによる地層の不均一性、季節変動に伴う土壌の含水率・温度変化などにより、実際の抵抗値は理論値から変動します。
一般的に、接地設計では経年変化や環境変化を見越し、要求値に対して十分な余裕を持たせた数値を目標とすることが推奨されます。計算結果が不合格となり「追加電極」の提示が出た場合は、接地棒の複数本打ち(並列接続)、ボーリングによる深打ち、銅板の埋設、接地抵抗低減材の併用などを実務上の対策としてご検討ください。なお本ツールはメッシュ(網状)接地には対応していません。メッシュ接地の正確な抵抗値は導体総延長・埋設深・格子間隔に依存し、IEEE Std 80 などの専用式で別途設計してください。